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独りぼっちの地球(壱)地球誕生

平成231211

 とかくこの世では「火のないところから煙はたたない」が通り相場で、電力各社のそれぞれの施設からは有毒物質を含む煙が途絶えたことがない。エネルギー生産に必用である本来の火の他に、世間に隠れて自分たちのふところを暖めるために火を焚いている煙だから始末が悪い。

 かって一度だけ、火のないところから煙が立ち昇ったことがあった。そのたった一つのことが原因となり、この宇宙が生まれ、わが銀河系が生まれ、わが太陽系が生まれ、そして奇跡の惑星我が地球は生まれた。

 この無限に近い広大な宇宙は、なんにもない[]の世界から[宇宙の種]が湧きだしたことにより始まった。電子顕微鏡でも捉えることのできない[宇宙の種]は、一瞬よりもっと早い[インフレーション]により、ゴルフボール大の[火の玉]となった。全宇宙の質量が詰まっている[火の玉宇宙]は、瞬時に[大爆発=ビックバン]を起こし、あらゆる方向に飛び散った。

 爆発3分後に、水素とヘリウムの最も単純な[原始核]ができた。

 爆発から1日後[宇宙の地平線]、火の玉宇宙のあったところから260Km八方にあったそれは、今この時点での半径137億光年の距離までにも成長し、さらに未来に向かって膨張し続けているさいちゅうだ。

 爆発30万年後に、原子核の周りを電子が廻りだして総てのものが物質化された。そのことにより、閉じ込められていた光が自由に飛び廻ることができ、暗い宇宙から透き通る宇宙に変身した。

 当初の宇宙にあった元素は水素とヘリウムだけだったが、膨大な量の水素とヘリウムが漂う宇宙のいたるところに、大きな星が一時期に大量に形成される[スターバースト]が起こった。この時に誕生した星々は太陽質量の100倍を超えていて、その巨大な質量ゆえに直ぐに燃えつきて、宇宙のいたるところで[超新星爆発]が起きた。

 太陽と同じく自分で光を放つ[恒星]は、超新星爆発により放出された宇宙空間の塵やガスが、互いの重力で引き合い集まった[恒星卵]が成長したものだ。[恒星卵]は自重で収縮を始め、収縮のある時点で[原始星]へと成長し、暗い宇宙雲のなかから明るい巨星として産声をあげた。

 爆発から1億年後に、回転の速い暗黒星雲から銀河系は生まれた。それは暗黒星雲の巨大球体が回転による遠心力扁平につぶされ、尻尾を渦巻かせながら成長したものだ。この巨大な銀河のなかでは無数の星が生まれでて成長し、そして死んでいく。銀河を構成するものは、恒星が200個ほど結束した複数の[球状星団][星間ガス]で、それらは銀河の中心を軸に、それぞれの軌道で公転している。

 誕生したばかりの原始星は表面の低い温度を保ちながらさらに収縮していく。収縮にともなう熱エネルギーは一部をのぞいて内部蓄積され、やがて中心部の温度高まっていった。高まる内部温度と原始星の持つ[重力]とがつりあった時収縮とまり、そこに進化した[恒星]がのこされた

 の持つ水素ガス量により、恒星の成長速度はさまざまに異なる太陽より質量の大きい星は早く大人になり、その分早く年老いる。太陽より質量の少ない星は成人するまでの速度遅い。そして、質量が少なすぎる星は、永久に恒星にはなれなかった。

 [太陽]46億年前に誕生した太陽の重量は2千兆トンの1兆倍直径は140Km体積は地球の230万倍ある。この中心付近2,400億気圧で、その温度は1,600万℃であり、一番外側の温度が6,000℃である。また、地球質量の333,000太陽は中心から表面までガスの塊で、中心への引力は地球の引力の28倍に相当する。この引力が表面ガスの外部への逃散を防いでいる

 太陽中心部では鉄の20倍の質量を持つガスが渦巻いていて、4個の水素原子核を1個のへリュム原子核に変える核融合反応により、1秒間に56,400万トンの水素から56,000万トンのヘリュウムを生産してい失われた400万トンの水素がエネルギーに変換され、ガンマ線となり数十万年の末に太陽表面に達し宇宙空間に放たれる

 銀河系の中で幾度もくりかえされた[超新爆発]一つがわが太陽系出現の引き金になった巨大爆発の波動は周辺宇宙に漂っていた希薄な宇宙雲を刺激しガスと塵からなる宇宙雲収縮させる引き金となったのだ宇宙雲収縮のはての中心付近に[原始太陽]が生れた太陽に到達しきれなかったガスと塵の雲が原始太陽にまつわりつく。やがてガスと塵は、太陽自転の遠心力に振り回され太陽の回転軸90度方向に円盤を形成した[原始太陽系星雲]の誕生であった

 さらなる星雲収縮により開放された重力エネルギーが原始太陽系星雲を温めまた冷やされた。ガスと塵が冷却されると鉱物粒子が生まれた。無数の鉱物粒子の群れは円盤状の原始太陽系星雲の中心面にたま薄い鉱物粒子層形成され、そこに後続の鉱物粒子降り積もっていった。太陽の円運動の潮汐力より円盤鉱物粒子間の重力のほうが強くなったとき、円盤分裂し無数の[微惑星]なり、太陽の周囲を公転しながら衝突をくりかえした衝突による合体で一定質量を確保して[原始惑星]に育った

 [原始惑星]周囲の重力の小さい微惑星は重力の大きい原始惑星に引き寄せられてゆく。重力の大きさゆえの効率的合体で加速成長した特別大きな天体を[惑星]とよんだ。この微惑星の衝突による幾度もの合体により質量の大きい八つの原始惑星の一つとして[原始地球]が形成された

 地球表面に降り注ぐ微惑星の衝突による衝撃は爆発と呼ぶべきものだった衝突の瞬間の高温高圧は周囲に伝播する高温高圧下の原始地球の表面からガス化しやすい成分が蒸発しいった。蒸発したガス成分を原始地球の引力が固定して原始大気が形成された

 原始地球表面に降りつづける微惑星接触爆発時の強力なエネルギー地表温度を高めていった。空間放出される巨大熱量は、原始大気の温室効果により捉えられる。やむことのない大量の微惑星の衝突エネルギーによる地表温度上昇はつづき、ある時点で地表物質はことごとく液化された[原始地球]の表面は融け始めた溶岩に覆われて[火の玉惑星]となったとき、[原始大気]の増加がとまった

 原始地球表面の温度が徐々にさがり始めると、現在の70倍の厚さを持つ原始大気中の成分の一部が溶岩収縮のなかに吸収されていく原始地球地表温度が溶岩液状を保つ限界点となったとき原始大気総量は現在の海水と同じぐらいの質量に落ち着いた

 原始地球が現在の地球の大きさを確保した当時は周辺微惑星の数も減ってきた微惑星の衝突頻度が減れば衝突エネルギーも減ってくる原始地球表面の温度は下降線をたどった

 中空にあった原始地球地表の溶岩の発する高温大気は溶岩温度がさがると最上空大気面から温度をさげはじめたこの湿り気が下降して雲が形成された雲は雨を呼び天の底が抜けた大気中の水分の総てが一度に降り注ぎ地球表面を水で覆ったそして原始の海が姿を見せた

 38億年前の地球地表温度は太陽放射エネルギーとその地表の熱放射のバランスできまる。当時の太陽温度現在より30%低かったもしも当時の原始大気が現在の大気成分と同じであれば当時地表温度は零度以下だったろう。だが38億年以前の地球には川がながれて海があった原始大気が二酸化炭素主体であったための温室効果の働は地表温度を10前後に維持することができたのだ

 現在の大気の成分は、窒素78%、酸素21%、アルゴン0.9%、二酸化炭素0.033%だが、原始大気の成分の96%二酸化炭素(炭酸ガス)だった雨の中に溶け込む二酸化炭素は地表に降りつづける雨は地表の岩石を浸食しながら海に注いだ炭酸イオンはカルシュウム原子やマグネシュウム原子と結合する海底に沈殿する大量のこれらの結合体は海水の高圧力により炭酸塩岩石となるというサイクルが繰り返されて地球上に取り込まれた。それが再び大気中に戻っていったのは、海に芽生えた植物の働きが有ったからである。24億年前に海の中に芽生えた藍藻類の発生により、水圏の二酸化炭素を吸収して酸素を放出する植物のおびただしい光合成が開始された。水中と大気中に蓄積された酸素により上空にオゾン層が形成されると宇宙線の脅威が少なくなると動物の種類が多岐に広がり、酸素を消費して炭酸ガスを放出する動物と植物の共生が始まる。

 

 生物が生きていく上には、まず空気と水が必用だ。植物の食料は、根を使い表土から摂り入れたり、葉や幹を使い陽光や空気中から摂り入れる。動物の食料に到っては、草や木の皮を齧ったり木の実を食べるたり、自分より弱い他の動物の肉を食べて必用なエネルギー源を得る。原始時代にまで遡っ場合の衣食住を考えると、裸でも直ぐには死なないし、風当たりの少ない物陰なら冬を越すことができただろう。しかし、空気が供給されなければ、まもなく身体中の細胞の壊死がはじまって、脳は機能を果たさなくなり、燃料切れで心臓はエンジンを切ってしまうだろう。成人の身体の70%は水である。身体への水分の補給が途絶えれば、意識を失うまで七転八倒の苦しみとなる。おそらく、水分補給が10日も途絶えれば、暑い夏のアスファルト舗装の道路脇で自殺を試みたトノサマカエルのようになるはずだ。生命はまず水には不自由しない水中に発生したが、それはずっと後の話である。

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