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コスモスの神話 Ⅵ(人類の誕生とその足跡)

平成2155

[人類の誕生]

発生前期に四足で樹上を走り回っていた鼠ほどの大きさの哺乳類食虫類は

その後の大寒波に順応する必要から次第に大型化していった

大型化のある過程にたっすると樹上四足移動には身体に不安定をまねくようになった

樹上をより安全に移動するには四足でない<腕わたり>に変える必要があった

<腕わたり>での移動には必然的に身体を垂直に保つ必要がある

これが脊椎全体と頭部との構造に革命的な変革を及ぼした

次第に現在の猿類に近い骨格に進化してきたのである

1千万年前の新生代第三紀中新生の終わりごろことであった

地球上の気温の低下がさらに進行すると

食料の確保と寒さをしのぐために哺乳類食虫類は樹上から地上におりることが多くなった

地上と樹上とを生活圏とした後にやがて樹上を完全に棄て去った

2百万年前の第四紀氷河期の始まる直前には

地上を直立二足歩行する姿がみられた

直立二足歩行した<オーストラロビテクス>は

地上に現代のヒトに限りなく近い影を映した

古代の魚が陸に這い上がり

永い時間のあとに到達したのが現在の陸上動物である

どの時代のどの時期でも進化のきっかけになるのは

やむにやまれぬ窮地にたたされたときであった

押し寄せる障害に対抗するためにある生物は縮小し

ある生物は大型化をよぎなくされた

退化もまた進化の一部であった

[人類の足跡]

五百万年前に同じ祖先から類人猿とヒトとに別れ

それが人類として歩み始めた

現在のゴリラやチンパンジーは猿の側に位置する類人猿ではない

彼らはヒトの側に立つ人類の仲間なのである

ヒトとチンパンジーの遺伝子は99%以上に酷似している

それを遺伝的視野で見ると馬と縞馬程度の違いがあるだけだった

チンパンジーは宇宙を含めた自然界では人類に最も近い種であり

五百万年前に人類と別れて平行して生きた同じ起源を持つ亜人類なのである

6百万年前のアフリカで気温の低下がおきた

気温低下は熱帯雨林を赤道付近に押し込めて広範囲なサバンナ化を進めた

類人猿たちは後退しつづける森かサバンナかの選択を強いられた

そして人類の祖先となる類人猿はサバンナを選んだ

サバンナには身体を支える樹木は少なかった

サバンナでの食物捜しには広範囲な移動を強いられた

人類の祖先はその必要性ゆえに二足歩行を獲得した

二足での直立歩行では今までの両手が余ってしまう

両手は子供を抱き上げたり道具を造ったりするときに使われた

しかし当時の祖先の脳容積には変化はみられなかった

[アファール猿人]

4百万年以前にアファール猿人が登場した

身長は小さく脳の容積はチンパンジー程度だったが

完全な二足直立歩行を習得していた

350万年前には夫婦で両側から子供の手を引いて歩行していた

妻や子供に対する愛情が存在していたことになる

人類として認めるのには文化能力や精神活動のレベルを示さなければならない

猿人は石器などの道具を使用する文化を備えていた

彼らはれっきとした先人類であったが約3百万年前に絶滅した

[足から進化を始めてヒトとなる]

アファール猿人と平行して生きていたアフリカヌス猿人は

顔つきも脳の大きさも類人猿に似ていた

280万年前には足骨腰骨の進化により完全な二足直立歩行を完成させていた

ヒトは頭脳からではなく足から進化を始めたのだ

250万年前にブラック・スカル猿人が出現した

ビーバー氷期の真っ最中であった

[ホモ・ハビリス猿人]

230万年前にホモ・ハビリス猿人が出現した

アフリカのサバンナ地帯で生活していた彼らは

簡単な石器を造り使用することを習得していた

他の猿人が草木の実や葉や根を食べていた同時代に

大型の動物の死体から石器で剥ぎ取った肉を石で叩いて柔らかくして食べた

植物も動物も食べる雑食性を持つ彼らは

ハビリスは人類の直系祖先である<ホモ>という属を持つ

[柔らかい食物が人類の進化を早めた]

ホモ・ハビリスはやがてホモ・エレクトゥス原人に進化した

ビーバー氷期の過酷な寒冷気候を生き抜いた彼らの脳は飛躍的に増大した

より高度の石器を使用して柔らかい肉を食べる食生活により

脳の増大に反比例し彼らの歯は退化の一途をたどる

今までの硬い食物を噛み砕く歯と顎の筋肉の退化は

脳の容積の増大につながりヒトしての進化に加速力をつけた

2百万年前にホモ・ハビリス猿人が出現した同時期には

ロプスストゥス猿人やポイセイ猿人やブラック・スカルなどの大型猿人が出現し

1百万年前のドナウ氷期の終りまで見られたが次々と絶滅していった

[原人の出現]

170万年前にホモ・エレクトゥス原人が出現する

彼らは高度な石器を使用して共同で狩をしていた

脳の容積も増大して現在の幼児程度の言語使用がみられた

彼らは自然の野火から火を手に入れ

火によって外敵から身を護り火によって肉を焼き身体に暖を取る生活にめざめた

この時期はドナウ氷期の始まったころで

自らの才覚で自由に火を造りだすのはずっと後の時期であった

アフリカには約1千万年前から多種の類人猿がいた

そして多くの類人猿が絶滅していった

5百万年間にわたりアフリカは人類進化の源であった

多くの類人猿が消えたあとも直立二足歩行の祖先が生残った

ホモ・エレクトゥス原人がアフリカの外へ出た最初の人類であった

火を携えた原人が北上しヨーロッパやアジアに進出した

やがて彼らはジャワ原人やペキン原人の祖となった

[旧人の出現]

20万年前のリス氷期のころだった

東アフリカの大地溝帯にネアンデルタール人が出現した

彼らもこの地からほぼ同じ道をたどり他の地に拡散していった

アフリカはいつの場合にも人類の新種を造りだす舞台だった

進化の段階での新種の個体数が大きくなると

前段階の祖先が辿った同じ道を経て他の土地に進出していったのだ

[新人の出現]

15万年前ごろの東アフリカに現人類の祖先<ホモ・サピエンス>が出現した

東アフリカの強い紫外線が降りそそぐ赤道直下での人類の祖先は

紫外線から身を護るために肌の色を黒くする必要があった

新人と呼ばれる彼らもまた前段階の祖先と同じ道をたどり広がっていった

北方に浸透移住する人類の黒い肌は次第にうすくなっていく

紫外線の少ない地域での生活にはメラニン色素の量を減らさなければ紫外線の吸収率が下がりすぎるからだ

紫外線の吸収率が少なくなると日光不足によるクル病等の原因になる

現在の人類の間にある黒・黄・赤・白等の肌の色により差別的風潮があるが本来の人類の純血種の肌色は黒である

黄・赤・白の肌色は劣勢遺伝の結果にほかならない

体型や顔立ちの違いは周囲の気温が強く影響する

体重が同じでも暑いところでは身体面積を大きくし体温の発散をはかる

そのため手足を長くし長身で細い体型となる

寒い地域では体温を逃がさないために手足が短くずんぐりした体型となり

厳寒による凍傷を防ぐためには凹凸の少ないモンゴロイドの顔が最適であった

7万年前ごろの最後の氷河期<ヴュルム氷期>が始まるころ新人<ホモ・サピエンス>は中東にまで達した

そこからヨーロッパやインドにむかった人々はコーカロイドへ

5万年前ごろにさらに東へ進んだ人々がモンゴロイドにとなった

東アジアのモンゴロイドは新天地を求めてシベリアまで北上し氷河期に陸続きになったベーリング海を渡り北アメリカに渡った

12千年前に北アメリカに渡った人類は急速に分布拡大し

わずか1千年の間に南アメリカ最南端に到達している

3万年前にネアンデルタール人類が絶滅した時期には

日本の南北共に大陸に地続きであった

現在の日本人の祖先は陸伝いに移入を始めた

海面上昇により大陸から列島として切り離された後には

船を用いて新たな人々が上陸してきた

人類が地球全体に進出した移住は一度だけでは終わらず

波紋が広がるごとく何度も何度も繰り返して送り込まれた

すでに先住民が住む地への新たな人々の進出は

先住民を吸収同化させる絶え間ない戦闘と殺戮がつきものであった

この人類移住の永い道程のなかでも人類の進化はつづけられ

それぞれの環境に適応できる身体と技術を獲得していった

そして異なる土地の環境に最も順応できる種族が生残り

それらはさらに新しい土地に進出していった

1万年前に最後の氷河期のヴュルム氷期が終わった

6千年前にメソポタミア文明が興った

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