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2009年5月5日

コスモスの神話 〇(宇宙創生)

平成2155

[]

離れた二つ以上の物体があってはじめて空間は存在する

なにもない分部が連なるだけでは無としか呼びようがなかった

音も光もない

空間も時間もない

物体もエネルギーもない

無はいくつ集まっても同じく無であった

闇の中になにかが蠢く

なにかが蠢く気配がする

蠢きはダークマター神の思念のなかでの葛藤であった

だがそこには音も光も空間も時間も物体もエネルギーもなかった

[原初宇宙]

静かに深い神の思念が頂点に達し空間も時間もない無の一点につよい力が加わった

闇のなかの一点にわずかな隙間がうまれた

273C110-33Cmの微少空間

暗黒の中の微少黒点が薄いオレンジ色となった

無のなかでのダークマター神の強い決意の色彩だった

小さくわずかな色彩は一瞬のまに黄となった

無のエネルギーが一点に集中していく

まばゆく光る小さな原初宇宙が闇の衣の中に生れた

神の目以外に見ることのできない小さな色彩

110-33Cmの微少空間に銀河1兆個の物質を内包する空間

この微少空間の誕生が広大無辺の宇宙の始まりであった

[インフレーション]

原初宇宙は瞬時に弾けた

1秒の100億分の1100億分の1以下の時間に

数十桁以上の倍率で拡大して初期インフレーションが終わった

ダークマター神が引き起こした原初宇宙急膨張は

直径4Cmの沸騰する灼熱のボールに姿を変えた

以後の宇宙総物質を内包する灼熱のスープ状宇宙となった

[ビック・バン]

丸い灼熱のスープ宇宙は光の速度に減速して無限大の膨張を開始した

真空エネルギー密度は膨張により体積を増しても膨張に比例して増加する

インフレーションによる膨張は物質エネルギーを無料生産することになった

光の速度で拡大し続ける原始宇宙の構成物質は無限に拡散されはじめた

今から137億年前の出来事だった

膨張は密度と温度を消費しながらすすむ

爆発直後の超高温と超密度のなかでの絶え間なき戦い

物質エネルギー密度は光エネルギー密度を破ることはできなかった

勝敗を決しようとする激しく沸騰するの灼熱スープ宇宙の中では

光の粒子と物質の粒子は烈しく衝突をくりかえすだけだった

爆発1秒後

爆発時の温度の10分の1の百億度にさがった

宇宙の密度も水の密度の約40倍程度までさがった

爆発5分後

10億度以下の温度の中で水素の原子核の陽子と中性子が交わった

そのことにより重水素の原子核が誕生した

爆発20分後

全宇宙の物質のほとんどが重水素とヘリュウムの原子核に移行し続ける

大きな労力をともなう生産工程はまる一日つづけられた

依然とし膨張は光の速度ですすんでいた

爆発1日後

宇宙の地平線は中心から260Km八方にあった

温度はやっと1億度までさがった

それでも光は物質の粒子にかこまれ直進できずにいた

このときもまだ宇宙は闇の世界であった

爆発1年後

膨張とともに密度は薄れ温度も数100万度までさがった

温度の下降にともなって光の密度も小さくなった

いつかは物質の密度が光の密度を追い越して優勢を勝ち取るだろうが

まだまだ宇宙は闇の中にあった

[原子の誕生]

爆発の38万年後に温度は3千度以下にさがった

このころに陽子と電子が結びつき中性の水素原子が誕生した

ヘルウム原子核も電子四個と交わりヘリウム原子となった

このとき物資密度が光密度を追い越した

[光の誕生]

物資の密度が光の密度を追い越したとき光は物質の隙間をみつけて直進した

それまで暗闇だった大宇宙が透明な世界に一変した

永く暗い宇宙界に最初の晴れ間が出現した

[原子星雲]

物資の密度が光の密度を追い越したとき均等だった大宇宙の密度に歪みが現れた

むらができた空間を万有引力の法則がむらをさらに大きく進行させた

物質密度の高い分部が別の物質を引き寄せて巨大化していったのだ

膨張を続ける大宇宙の複数のガス塊がある大きさに成長したとき

それぞれのガス塊が自らの重力で収縮を始めた

収縮すればより濃密なガス塊になっていく

無数のガス塊のなかでの直系数十万光年の原始星雲だけが

原始銀河に進化する母体となった

巨大すぎる原始星雲は収縮の過程で分裂し原始の星雲群や星雲団を形成する道をたどった

誕生した個々の星雲団も星雲団内の個々の星雲もまた

はてしない大宇宙の膨張のなかで互いに離れていく運命を背負った

重い星雲や軽い星雲

回転の速い星雲や遅い星雲

早く誕生した星雲や後から誕生した星雲

それぞれの星雲はそれぞれの特質をもちそれぞれの進化の道を歩む

彼らは時の流れの果てに渦巻型や楕円型や不規則型の銀河に成長した

[銀河系の誕生]

爆発1億年後

わが太陽系が潜む銀河系は回転の速い原始星雲から進化した

回転の速い原始星雲の巨大球体は遠心力により扁平につぶされていった

回転の速い巨大円盤はさらなる進化のはてに

三本の尻尾を渦巻かせる現在の銀河に成長した

[暗黒星雲]

大宇宙空間にはさまざまな物質が浮遊している

大量の水素原子と小量のヘリュウムや酸素や炭素の原子

また窒素やネオンや硫黄などの原子が浮遊する

微量の鉄や塩素の原子までが浮遊する大宇宙空間

大宇宙の完全真空世界空間に拡散浮遊する物質の移動

真空よりさらに希薄な空間にも密度の強弱が生れる

星間物質が互いに集結したものを原始星雲とよんだ

透明な大宇宙の空間のそこかしこにできた不透明な星間物質の集団

背後の透明さを遮断して立ちふさがる黒い縁取りの暗黒星雲

[重力]

電気や磁力は引く力と反発する力の両面を持つ

重力は引く力だけだ

引く力だけではどこまでも縮んでゆくほか道はない

宇宙雲を形成するガスや微塵は重力により互いに引きつけ合う

互いに引き合えば宇宙雲全体が中心に向かい沈んでゆく

収縮の過程で重力エネルギーが熱に転換された

収縮すればするほど温度が上昇する宇宙雲

[分子の誕生]

物質の温度が上がれば例外なく膨張がはじまる

収縮する宇宙雲の膨張熱は周囲空間に放散される

熱が放散さえれば己の身体はまた冷える

冷えれば内部圧力を下げまた収縮が始まる

果てしない収縮の過程で原子が結合され分子となった

分子は紫外線を多量に浴びると崩壊する

宇宙雲のなかの微塵が誕生した分子を紫外線から護った

そして50度という宇宙雲内部の環境が分子形成の過程を助長させた

[分子雲]

冷たい微塵の表面に宇宙雲内の原子や分子がたえず付着する

この行為はより複雑な分子製造の助けとなった

宇宙雲のなかの微塵が分子形成の触媒の役目をはたしたのだ

多くの分子を含む宇宙雲を分子雲とよぶ

分子雲の多くは分裂したのち収縮し数百の星の集団を生みだす母体となった

[KL天体]

分子雲は太陽の千倍の質量を持つ

分裂と収縮をくり返し赤外線を放射しながらさらに分裂をくり返す

この分裂と収縮のはてにひとつひとつが原子星へと成長していった

ひとつひとつの原子星の質量は太陽の6倍で直径は千倍に達していた

[BN天体]

それぞれのKL天体がゆっくりと収縮する

収縮しさらに濃密な宇宙塵の塊となる

これが恒星卵誕生の瞬間であった

[原始星]

恒星卵が自らの重力で収縮しつづければ重力エネルギーはある地点で熱に転換される

しかし初期暗黒星雲の温度は限りなく低い

重力エネルギーにより生産された熱は表面から放散され熱の内部蓄積のきざしはない

恒星卵体内温度と圧力の上昇はなくひたすら収縮の一途をたどる

収縮の末に恒星卵体内温度が急激に高まった

高温ゆえに蓄積熱の外部放散が止まった

熱蓄積はつづき温度と圧力は加速上昇すた

圧力が球体の重力に対抗できる力を獲得したのだ

そして中心部での収縮は止まった

それでも宇宙雲の周辺部の温度と密度は低いままだった

当然のこととして質量の集中している中心部に向かって周辺部の物質が落下し続ける

収縮を停止した完全固体の中心部に落下衝突する物質の強い衝撃波は

宇宙雲の周辺部まで伝わり周辺に漂う物質の隅々まで振動させた

強力な衝撃波による振動エネルギー

振動エネルギーは周辺に漂う物質の温度を3千度まで押し上げた

それは暗黒の宇宙のそこかしこで明々と輝き出した

原始星が誕生したのだ

原始星の質量が太陽程度の場合での原始星直径は太陽の百倍で明るさは太陽の千倍にたっする

原始星は暗い宇宙雲の中から明るい巨星として産声をあげた

暗い宇宙雲が発色して明るく巨大な新星となっても必ずしも一人前の恒星に成長するわけではない

水素を母体とした核融合反応により自らを輝かすのが恒星だ

新星中心部温度が低く熱核反応を起せない場合は恒星の資格を得られない

[恒星の誕生]

誕生したばかりの原始星は表面の温度を保ちながら収縮する

収縮にともなう熱エネルギーは一部を除き内部に蓄積されていく

この蓄積作業の進行により中心部の温度は高まってゆく

温度が1千万度を超えたとき水素の核融合反応が開始された

核融合反応による高温高圧が原始星の持つ重力とつりあった時に収縮がとまり原始星からひかり輝く恒星に脱皮するのだ

自身の持つ水素ガス量により星の成長速度が異なる

太陽より質量の大きい星は早く成人し早く年老いる

太陽より質量の少ない星は成人する速度が遅い

質量が少なすぎる星は永久に恒星にはなれない

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コスモスの神話Ⅰ(太陽系創生)

平成2155

[太陽]

太陽は46億年前に誕生した

太陽の重量は2千兆トンの1兆倍だ

太陽の直径は140Kmで体積は地球の230万倍である

太陽の中心付近の気圧は2400億気圧で温度は1600万度だ

太陽の表面温度6千度のガス体ではっきりとした表面はない

太陽を取り巻く空間は完全に近い真空だ

太陽は中心から表面までガスの塊である

太陽の質量は地球質量の333千倍だ

質量が大きければ引力はそれに比例する

太陽中心への引力は地球の28倍にあたる

この強力な引力が表面ガスの外部逃散を防止している

太陽中心部では鉄の20倍の質量を持つガスが渦巻いている

そこは2400億気圧で水の160倍の密度だ

四個の水素原子核を一個のへリュム原子核に変える核融合反応は1秒間に56400万トンの水素から56千万トンのヘリュウムを生産する

失われた400万トンの水素がエネルギーに変換された

エネルギーはガンマ線となり数十万年の末に表面に達し可視光線となり宇宙空間に放たれる

[超新星]

太陽の三倍から八倍ほどの質量をもつ原始星は

その質量の大きさゆえに急いで水素を消費してしまった

栄養が多すぎると早く大人になり早く年老いてゆくのだ

早急な成長はその終焉のくるのも早い

成長のはての大爆発は天空の一角をあざやかに輝かす

これが夜空の果てに出現する超新星の出現である

輝き光ったあとにはその残骸が宇宙空間にただようのみだ

[太陽系の誕生]

銀河系の中で幾度もくりかえされた巨大原始星爆発による超新星

このなかの一つの爆発がわが太陽系出現の引き金になった

巨大爆発の波動は周辺宇宙に漂っていた希薄な宇宙雲を刺激した

そしてガスと塵からなる宇宙雲が収縮を始めた

宇宙雲収縮のはての中心付近に原始太陽が生れた

太陽に到達しきれなかったガスと塵の雲が原始太陽にまつわりつく

太陽自転の遠心力に振り回されるガスと塵は太陽の回転軸90度方向に円盤を形成した

原始太陽系星雲の誕生であった

さらなる星雲収縮により開放された重力エネルギーが

原始太陽系星雲を温めたまた冷やされる

このガス体の冷却のはてに鉱物粒子を生んだ

無数の鉱物粒子の群れは円盤状の原始太陽系星雲の中心面にたまる

そして薄い円盤上に鉱物粒子層を形成した

形成された円盤上の鉱物粒子層に降り積もる後続の鉱物粒子

そして物質密度の臨界値を超えたとき

円運動中心の太陽の潮汐力よりも円盤鉱物粒子間の重力のほうが強くなった

[微惑星]

円盤鉱物粒子間の重力が強くなったとき円盤が分裂を起こした

分裂後に周辺軌道内を漂う無数の小天体

この無数の小天体を微惑星とよんだ

[原始惑星]

無数の微惑星は太陽の周囲を公転しながら衝突をくりかえした

あるものは衝突による合体の連続でその質量を増やしていく

そのなかの抜きん出て大きく成長した天体が現れた

原始惑星の誕生であった

[惑星]

原始惑星は周囲の微惑星より重力が大きい

重力の小さい微惑星は重力の大きい原始惑星に引き寄せられる

重力の大きさゆえの効率的合体で加速成長する原始惑星

他より特別大きな天体を惑星とよんだ

[原始地球]

微惑星の衝突による幾度もの合体により質量の大きい原始地球が形成された

形成された地球表面に降り注ぐ微惑星の衝突速度は大きく衝撃は爆発と呼ぶべきものだった

衝突の瞬間の高温高圧は周囲に伝播する

高温高圧下の原始地球の表面からガス化しやすい成分が蒸発してゆく

蒸発したガス成分を原始地球の引力が固定して原始大気が形成された

原始地球表面に雨あられのごとく降りつづける微惑星

接触爆発時の強力なエネルギーが地表の温度を高めた

地表は蓄積する巨大熱量の空間放出のために喘ぐ

水蒸気主体の原始大気の温室効果は放出熱を捉えて逃さない

大量の微惑星の衝突エネルギーによる地表温度上昇は限りなく続く

上昇温度のある時点で地表物質はことごとく液化された

原始地球の表面は融け始めた溶岩に覆われて火の玉惑星となった

原始地球表面溶岩時には原始大気の量は停止状態にあった

原始地球表面の温度が徐々にさがり始めた

原始大気中の成分の一部が溶岩収縮のなかに吸収されていく

原始地球地表温度が溶岩液状を保つ限界点となったとき

原始大気総量は現在の海水と同じぐらいの質量に落ち着いた

原始地球が現在の地球の大きさを確保した当時は周辺微惑星の数も減ってきた

微惑星の衝突頻度が減れば衝突エネルギーも減ってくる

原始地球表面の温度は必然的に下降線を辿った

[海の誕生]

原始地球地表の溶岩の発する高温で中空にあった大気は

溶岩温度がさがると最上空の大気面から温度をさげはじめた

この湿り気が下降して雲が形成された

雲は雨を呼び天の底が抜けた

大気中の水分の総てが一度に降り注ぎ地球表面を水で覆った

そして原始の海が姿を見せた

[38億年前の地球]

地球の地表温度は太陽放射エネルギーとかかわりを持ち太陽放射エネルギーとその地表の熱放射のバランスできまる

20億年以前の太陽温度は現在より30%低かった

もしも当時の原始大気が現在の大気成分と同じであれば当時に地表温度は零度以下だ

だが38億年以前の地球には川がながれて海があった

原始大気が二酸化炭素主体であったための温室効果の働は地表温度を10度に維持することができたのだ

[原始大気の進化]

原始大気の成分のほとんどが二酸化炭素(炭酸ガス)だった

雨の中に溶け込む二酸化炭素は地表に降りつづける

雨は地表の岩石を浸食しながら海に注いだ

炭酸イオンはカルシュウム原子やマグネシュウム原子と結合する

海底に沈殿する大量のこれらの結合体は

海水の高圧力により炭酸塩岩石となった

[地球表面を移動するプレート]

プレートは下方でうごめくマントル対流の力で海底を移動している

移動するプレートは立ちはだかる大陸の阻まれ下方に沈みこむ

数百Kmの厚さのプレートが大陸の底に沈みこむ時の巨大な摩擦熱

高温高圧の摩擦熱は地下に蓄積されマグマを形成する

高圧のマグマが柔らかい地表に開放されたときに火山は爆発した

プレート内に閉じ込められていた炭酸塩岩石は

高温高圧マグマ内で珪酸と反応して二酸化炭素に戻った

それは火山ガスとなり再び大気中に放出される

プレートを構築している鉱物質の多くは巨大な大陸との接触により大陸に貼りついた

炭酸塩岩石は大陸に付加されその一部に取り込まれていった

[炭素の地球科学的循環]

大陸に付着した炭酸塩岩石もいつかは風化浸食され海に戻されるが

海に戻されるまでの時間は火山ガスとして放出される時間より遅い

このことにより大気中の二酸化炭素の総量は大陸に付加した炭酸塩岩に相当する分だけ減少していった

原始地球当時から現在までの成長過程で炭素の地球科学循環がなかったとしたら現在の人類を含む生物の存在はない

地球誕生後の10数億年以内に大気中二酸化炭素の温室効果の高温により海は沸騰し水はすべて蒸発してしまっただろう

水蒸気の気温がさらに上昇すれば大気圏を突き破り宇宙空間に放出されただろう

現在の金星の灼熱地獄にならずに済んだ地球は奇跡的な幸運の惑星なのである

現在の地球があるのは海を維持できたことにある

海を維持できたのは大陸が出現し成長したからである

海底プレートの移動による大陸の形成により地球環境は整備されていった

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コスモスの神話 Ⅱ(生命の起源)

平成2155

[物質の化学進化]

地球上に生命が誕生するには有機化合物が生れなければならなかった

有機化合物はすべての生命体の基本物質であり

有機化合物なしには生命体はありえなかった

無機化合物から有機化合物への進化が

生命発生への道程の第一段階だった

有機化合物の骨格をなすものは炭素原子である

幸いなるかな炭素原子は無機化合物の中にもあった

原始地球上には炭素原子が金属炭素としてすでに存在していたのだ

ほかにも恒星をとりまく空間には大量の炭化水素(有機化合物)が浮遊する

これらすべては宇宙進化過程で非生物的に生産された産物であった

地球は太陽をとりまくガス状物質から生れた

ガス状物質に含まれていたメタンは単純有機化合物の炭化水素である

ガス状物質が凝結して原始地球が形成される前に

メタンと同類の物質は遊星間に飛び散ってしまった

けれども炭素は炭化物の形で遊星原質内部に取りこまれていたのだ

現在では当時の大部分の炭化物は地球内部に集結している

しかし地球創生期にはとりこまれた炭化物はまだ地表表面にあった

その後に地上に降りそそいだ水との反応の結果として多量の炭化水素が合成された

生命の元となる単純な有機物質が地球の地表に置き去りにされていた

[蛋白質誕生]

地球上に発生した簡単な有機物質は原始地球内外部で水素やアンモニアに反応した

この融合により地球の気圏と水圏にアルコール・アミンを生成させた

アルコール・アミンは酸素や窒素を含む炭化水素の誘導体となり

海のいたるところで科学的結合を誘発した

比較的小さな炭素化合物の塊が相互に結合し大きく複雑な物質への進化を開始した

蛋白質の分子は長い鎖状に見える

鎖の一個の環ようなものが単純窒素化合物のアミノ酸だ

アミノ酸が長い鎖状に結合されたものが蛋白質である

ごく簡単な炭化水素のメタンにアンモニアや水蒸気や

水素を含むガスと混合されてアミノ酸は合成された

それぞれのアミノ酸を長い鎖に編み上げたのは

海底の巨大な水圧のもつエネルギーだった

かくて蛋白質は合成された

蛋白質はもっとも複雑な有機化合物である

蛋白質はすべての生物にとって必要不可欠の物資である

蛋白質は物質化学的進化のなかで達しえた最高峰に位置する

[生命の誕生]

透明なゼラチン状蛋白質の集団が海のうねりに攪拌された

何度も何度も攪拌されることにより徐々にそれらが結合され蛋白質槐となる

蛋白質槐が次第に成長し数百万個の大きさになったものをコアセルヴェート液滴とよんだ

コアセルヴェート液滴は液体でありながら一定の構造と組成を持ち

周囲の外界からさまざまな物質を取り入れることができた

コアセルヴェート液滴はやっと顕微鏡の世界に覗くことのできるほどの大きさだが

周辺外界の環境と相互に作用しているからからこそ生きているといいた

[コアセルヴェート液滴]

コアセルヴェートはそれだけで海にあったのではない

周囲のさまざまな有機物と一緒に浮遊していたのだ

コアセルヴェートは絶えず有機物を吸収して

その内部で合成と分解をくりかえした

コアセルヴェート液滴内での合成より分解速度が勝る場合には

その不安定さゆえにコアセルヴェートは分解消滅する

合成過程が分解過程を超える場合のみ成長がつづけられた

コアセルヴェート液滴が成長の頂点に立ったときに分裂し

小さい子供のコアセルヴェートに分かれていった

子供は相互に似た構造と組成を親からうけつぎ

それぞれが個別に特有の道を歩みはじめた

それらは外界からさまざまな物質を取り入れ

己の内部構造を変えていった

内部構造の安定したコアセルヴェート液滴の子孫だけが残される

原始の海中での自然淘汰のさまざまな営み

コアセルヴェート液滴内部の調和をより安定させていった

合成と分解が一定の水準に達した時こそ

もっとも簡単な構造をもつ生物の誕生の時であった

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コスモスの神話 Ⅲ(太陽系の惑星)

平成2155

[現在の太陽系]

太陽系は46億年前に原始太陽を取巻く塵とガスから生れた

太陽系は八つの惑星とそれぞれの惑星の周囲を廻る衛星と

太陽の重力に影響される無数の小惑星と彗星などから形成されている

[水星]

太陽の5790Km離れた軌道上を廻る水星は

八つの惑星のうちでもっとも太陽に近い惑星である

水星は地球の軌道の内側を廻っているために

地球からは日出前か日没前の短い時間内にしか観ることができない

岩石と金属鉄からなる水星の密度はほぼ地球と同じで

水星の直径は4878Kmで太陽系のなかで一番小さな惑星である

[金星]

水星のつぎに太陽に近い軌道を廻る金星は大きさも密度も地球とほぼ同じだ

金星は地球の内側の軌道を廻り地球に一番近い惑星である

金星の持つ厚い大気の成分は二酸化炭素で地表温度は480度にもなる

地球の90倍の気圧を持つ大気表面を覆う濃硫酸の雲が太陽光に反射し「明けの明星」「宵の明星」と呼ばれるほど明るい星として観測される

地球時間の243日間でやっと一回自転する金星での一日は非常に熱くて永い

[火星]

火星は太陽と22790Kmの距離を保ちながら地球の外側の軌道上にある

岩石と金属からなる火星の直径は6794Kmで地球の約半分にあたる

火星は土壌中鉄分が酸化し地表面が赤く輝くことから「赤い惑星」とよばれる

火星の自転速度は地球時間の24時間だが公転周期は約687日である

365日で公転する地球はその倍近い速度で公転するので火星を追い越す時がある

このとき地球から見ると火星が逆回りに転じたように錯覚される

[木星]

太陽から78千万Kmの軌道上を12年かけて公転しているのが木星である

地球の1316倍の体積と318倍の質量を持つ木星は

太陽系全惑星の総質量の3分の2以上を占めていてその密度は太陽と同じである

地球の10倍ほどの岩石と氷でできた中心核をもち

その周囲を水素ガスとヘリウムガスが分厚く押し包んでいる

木星の16個の衛星は遠く離れるにしたがって岩石質から氷質へと変化し

それはミニ太陽系を形成しているように観られた

木星は自分で光を放つには質量が少し足りずに

恒星になりそこねた天体であった

[土星]

直径12Kmの土星は木星の次に大きな惑星で地球の約100倍の質量をもつガスの塊である

「太陽系の宝石」と呼ばれる土星リングは土星表面の雲の頂上から7Kmから30Kmまで達する

厚さ10m幅20Kmの薄いリングは外観により7つに区分される

土星のもつ17個の衛星のうち13個は土星から53Km以内の軌道を廻り

1地番外側の軌道をまわる衛星は土星表面から1290Km離れている

[天王星]

太陽と天王星との距離は287500万Kmで内側を廻っている土星と太陽との距離の2倍に相当する

天王星の直径は51120Kmで地球の約4倍の大きさ持つガス型惑星で太陽を一周するのに約84年かかる

天王星の自転軸が公転軸に対して98度も傾いているために

地球のように昼と夜が規則正しく訪れることはない

天王星の昼は42年つづきその後に夜が42年つづく

[海王星]

太陽から約45Km離れた軌道上にあるのが海王星である

冥王星が小惑星に格下げになった2006年以降は太陽系8惑星のうちで一番外側の軌道上にある

[小惑星]

地球の外側を廻る火星と木星の軌道の間には無数の小惑星がひしめいている

現在まで確認された小惑星の数は4千個以上で

もっとも大きな「セレス」でも13Kmの直径を持つに過ぎない

小惑星のほとんどは火星と木星の間の軌道上を廻っているが

「アポロ・アモール群」は地球や火星の公転軌道を横断する

[]

月は地球のもっとも近い距離にある天体で地球の唯一の衛星である

地球から月までの距離は地球直径の約30倍の384400Kmで年間5Cmの速度で地球から遠ざかっている

遠ざかっている原因は地球と月の潮汐摩擦によるもので

10億年前の月は現在より5Kmほど地球に接近していたことになる

現在の地球上から見る月は視覚的に絶妙な大きさで

距離の関係で奇しくも太陽と月は同じ大きさに見える

地球上で神秘的な皆既日蝕が見られるのは大宇宙の成長過程での偶然の時点に立っているからである

[彗星]

惑星がきわめて円に近い軌道を描いて太陽の周りを廻っているが

彗星は太陽を集点の一つとする楕円や放物線や双曲線の軌道を廻っている

彗星は氷の塊で太陽に近づくと氷が融けてガス状の尾をひきずり

太陽系惑星軌道近くに姿を現しては宇宙の彼方に去ってゆく

[地球]

地球は太陽から15Kmの軌道上を公転している

直径12756Kmの地球は岩石質の地殻とマントルや金属質のコアをもっている

地球は太陽系の中ではゆいいつ窒素と酸素を主体とした大気を持ち

地表に水を蓄えた惑星である

地球は地表から約100Kmの下方まで硬いプレート(岩盤)で覆われている

地球の地表を覆うプレートは十数枚に別れ相互に移動する

プレート直下に蠢くマントルがプレートの製造と回収を担っている

複数のプレートは生産地点から1年間に数センチの速度で相互に移動する

プレート運動の合流点での摩擦や大陸棚の下に潜りこむ際に巨大なエネルギーを生む

摩擦エネルギーは地震や造山活動や火山噴火などの地球活動に関与する

日本列島の底には「太平洋プレート」と「フィリピン海プレート」が潜りこんでいる

二つのプレートは日本列島に地震や火山活動を供給し定期的にその力を発散させる

地球は太陽系のなかで生物の住むただひとつの惑星である

太陽と地球との距離と地球の大きさが水を確保するのに適していたからであった

もしも地球が現在の位置より10%太陽の近くか10%太陽より離れていたとしたら

この理想的気候を造り出すことはなかった

もしも地球が火星や月のような大きさの天体であったとしたら

乾燥した気候が周囲に充満し生物の発生はなかったのである

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コスモスの神話 Ⅳ(生命の発生と進化)

平成2155

[地球大気中への酸素の蓄積]

太陽系惑星の一つである地球は

内部の熱をゆっくり冷やすのに充分な大きさを持っていた

太陽から地球までの距離が適当だったために生命体を育んだ海を維持できた

地球には海に囲まれた大陸があったので生物進化の多様性を促した

そして生物進化の過程でわが人類の祖先を生み出した

原始の海のなかに生れた生命の進化は光合成生物の爆発的な増加を促した

光合成は海のなかの植物性プランクトンや藻類が光エネルギーをもとに水を分解する過程で生れた酸素を大気中に放出しつづけた

酸素は呼吸を通して代謝を効率よく行う生物の発生を促した

酸素の蓄積により大気圏表面にオゾン層を形成し地表付近を強烈な太陽の紫外線から保護する役目はたした

地球が誕生したのは約46億年前である

地球上に生命が発生したのが約32億年前である

地球が誕生して水中に生命が発生するまでの14億年間が

生命発生に欠かせなかった化学進化の過程であった

生命の出現時には現在の生物の150万種のような多様性はなく

化学進化から生命が発生した時点では数種の生命体だけだった

[単細胞生物から多細胞生物へ]

最初の生物は植物であった

32億年前の地球には細菌の一種の藍藻(ランソウ)に近いものが生きていた

27億年前には厳然とした藻類(ソウルイ)が生きていた

20億年前には鉄細菌に似たものと糸状藍藻(植物性プランクトン)が生きていた

これらの中には細胞隔壁を持つ多細胞体も混じっていた

10億年前には細胞のなかに核がある真核生物の緑藻が生きていた

おびただしい緑藻は光合成により酸素分子を造り海水中に放出した

やがてそれは大気中に放散されていった

[エディアカラ動物群]

6億年前の水圏にはさまざまな形の原始海草と

さまざまな形をした無脊椎動物が生きていた

このエディアカラ動物群のなかには

ウミエラやクラゲに似た腔腸動物の仲間や

ゴカイに似た環状動物の仲間や

節足動物や腕足動物に似たものまで含まれていた

どの動物も1Cmから30Cm程度の大きさであった

生命の発生から多細胞生物エディアカラ動物群出現までは26億年の歳月を必要とした

エディアカラ動物群出現時からの6億年間の生物の進化はめざましく

多彩な動植物群に発展していくことになった

古い型の生物が生きていた時代を古生代とよぶ

新しい型の生物が生きていた時代を新生代とよんだ

その中間期は中生代とよばれた

生物だと判断できるものが出現したのが

56千万年前の古生代カンブリア紀であった

これ以前は一括して<先カンブリア紀>とよぶことにした

[無脊椎動物の出現]

無脊椎動物は遅速の差はあるがその総てがカンブリア紀の海のなかに生じた

当時の門(分類学上のモン)の総てが現在に生きている

ただし当時の姿形のままではなく大きな形態の変化はあった

動物もまた栄枯盛衰のはてに様々に形態を変化させ現在に至っている

カンブリア紀に出現した無脊椎動物は質量ともに拡大していったが三畳紀が近づくといちじるしく減少することになった

南半球に大氷河期が訪れたことと北半球の著しい大陸化のため地球上の気候全般が乾燥化したからである

これらの数々の事件により順調に進行していた生物の進化が停滞し

海の生物ばかりでなく陸の植物にも影響をあたえ続けた

[水中から陸上に上がった動物]

6億年前にエディアカラ動物群とともに水中にあった藻類の一部は

当時の度重なる造陸運動での地表の隆起で大陸内の湖沼に閉じ込められた

その後の大陸の上下運動により何度も渇水の危機に見舞われた

4億年前のシシル紀末期にはすっかり陸上の生活に慣れてしまった

シシル紀とデボン紀当時には現在の大西洋はなく

北米大陸とヨーロッパ大陸はつながった一つの大陸だった

広大な大陸の乾燥した地表を覆っていた赤く粗い砂の上には根も葉もない10Cm程度の植物の分布があった

ステガノセーカやクイックソニアと呼ばれる陸上の初期植物群である

どれも二叉分枝した先端には胞子のはいった胞子嚢をつけていた

3億7千万年前のデボン紀中期の植物群は茎に針状の葉を密生させ葉の先端に胞子嚢を一個ずつ付けていた

しばらくしてから茎に関節を持った古代木賊類(トクサルイ)が出現した

これらは胞子で繁殖する10Cmから30Cmの羊歯(シダ)植物であった

この羊歯植物が3.5億年前から2.8億年前までの石炭紀には

ほとんどの陸地に大森林を作り上げるまでに発展していった

[胞子植物から種子植物の大発展]

35千万年前の石炭紀の地球上は温暖で湿潤な安定した気候が続いた

陸上進出後の1億年を経た植物群は

その後の1億年間を要して陸上を大森林で覆いつくした

大森林を形成する羊歯(シダ)植物の高さはどれも20m超えるもので

やがてこれらが現在の地中に眠る石炭の素となった

大森林の最初は胞子繁殖する胞子植物だけで形成されていたが

石炭紀が進むにつれて葉の上に種子をつけた羊歯種子類が

森林のあちらこちらに見られるようになった

胞子繁殖から種子繁殖への大きな進化が成されたのである

種子を持つ羊歯類はゆっくりと森に浸透していった

[羊歯植物と裸子植物]

23千万年前の中生代に入ると大森林内の植生は一変した

森林内植物の葉はそれまでの10分の1に縮小された

古生代末期に羊歯種子類から派生した種子を持つ針葉樹が台頭してきたのだ

この羊歯種子類に由来するベネチス類が森林内を独占して多種多様に大発展をとげていった

中生代の三畳紀から白亜紀前期のことであった

中生代は水の助けをかりて胞子繁殖する羊歯植物が衰え

水の助けなしに繁殖できる裸子植物繁栄の時代であった

この原始的種子植物は中生代最後の白亜紀後期には姿を消す運命にあった

動物界で台頭してきた大型爬虫類の恐竜の絶滅する以前に絶滅してしまった

それに変わったのが被子植物であった

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コスモスの神話 Ⅴ(脊椎動物の出現と進化)

平成2155

[脊椎動物の出現]

動物の進化の過程で脊椎を持ったのは魚類の一系列だけであった

最初に脊椎を持った魚類には顎がなく口をだらしなく開いたままの原始魚である

この原始魚の無愕類から板皮類そして軟骨魚類さらに硬骨魚類と進化し

4億年前の古生代中期のデボン紀に一部の魚類が陸に這い上がった

一部魚類の習性の積み重ねから両生類へと進化したのだ

これらの一部は中生代に隆盛を誇った爬虫類へと進化の過程をたどる

爬虫類の一部から進化した哺乳類は中性代終期に絶滅した大型爬虫類の生態的空所を埋めるように新生代初期には全地上に適応放散し大きく発展することになる

[脊椎動物の水中期]

脊椎動物は5億年前の古生代オルドビス紀に出現したが

脊椎動物の形態を明確に表したのは4億5千万年前のシルル紀に入った頃だった

これらの魚類が全盛を謳歌したが3億5千万年前のデボン紀中期で

さまざまな形態の魚類が思い思いに水中を移動していた

ヒトの直系祖先の魚は総鰭目(ソウキモク)のユーステノプテロンで

その後に陸上での4肢となる4本の対鰭を持った魚であった

汐の満ち干き等で陸上に取残され魚は対鰭を使用して水辺を捜すうちに

水陸の両世界で生きることのできる両生類に移行した

[脊椎動物の四足期]

4億年前から3億5千万年前までのデボン紀は造山活動が烈しかった

大陸縁辺の川や湖沼で生活していた魚類の一部は

大陸の度重なる上下運動により狭い水域に孤立した

雨季と乾期がある気候の中では渇水という過酷な事件に出会った

とり残された魚たちは対鰭をつかって安全な水辺に移動した

魚たちはしだいに水のない干潟などを効率的に移動できるようになり

デボン紀末期に原始的両生類のイクチオステガが出現した

さらに進化の道をたどり肺で呼吸できるユーステノプテロンとなる

水陸両用対応可能な両生類の誕生であった

35千万年前から28千万年前までの石炭紀には

安定した温暖湿潤気候が広がる大陸の全域に大森林をはぐくんだ

この気象条件のしたに大発展をとげたのが両生類の一派の迷歯類であった

両生類は水辺に近い森に生息する大量の昆虫類を捕捉しながら地上に生活の場を移したが

繁殖のための卵だけは水中に産まなければならなかった

両生類の卵は乾燥に対して無防備なために水辺を離れることができない事情があったのだ

[水の中から陸にあがった卵]

石炭紀から二畳紀にかけては乾燥した陸上でも生きられる爬虫類肺竜目の仲間が姿を現す

両生類から爬虫類への進化であった

両生類の卵は乾燥に無防備であったが爬虫類の卵には

乾燥を防ぐ羊膜が被せられる改良がなされていた

羊膜の中には羊水があふれて生命である胚はその中で育つ

羊水は個体専用の池であり湖であり海でもあった

二畳紀には乾燥気候に適応した爬虫類盤竜目が出現した

背中と平行に帆のようなものがついた爬虫類で

背上の帆状のものは体温調節の放射板の役目をはたした

25千万年前の二畳紀から三畳紀にかけて哺乳類の祖先となる哺乳類型爬虫類の獣形類が現れ

初めて口の歯が切歯と犬歯と頬歯に分化した

横に伸びて身体を引き摺っていた四肢も発達し

身体の下から垂直に付き地面から胴体を持ち上げての運動ができるようになった

[恐竜類の台頭と消滅]

哺乳類型爬虫類の獣形類は次の哺乳類に続くものだが

これとは別の道を歩んだものに恐竜類がいる

恐竜類は中生代を通し陸と海と空に広く適応して大発展をとげる

それでも鰐類と亀類と蛇類を残すだけで中生代の終わりには絶滅してしまった

冷血動物の恐竜類は中生代末の低温気候に順応できず地上から消滅した

哺乳類型爬虫類の出現は25千万年前の古生代の二畳紀中期である

当時はゴンドワナ大陸を覆っていた大氷河の解氷期にあたり

まだ寒冷な気候から回復していない時代であった

哺乳類型爬虫類はすでに温血性を獲得していたので過酷な氷河期の気候風土に適応できた

次の中生代に入ると再び温暖湿潤な気候が戻ってきた

すでに進化の過程上にあった原始哺乳類は隆盛を誇る大型爬虫類である恐竜売類の陰に隠れて

ひたすら耐え忍ぶ生活をよぎなくされていた

6千五百万年前の中世期代末の大低温期に大型恐竜類はことごとく絶滅した

注世代の地上に細々と生活していた鼠ぐらいの哺乳類は

はるか昔に獲得した温血を持つがゆえに地上のあらゆる場所に適応して

それぞれが大発展をとげていくことになる

[脊椎動物の樹上期]

6千五百万年前の中世期代末の大低温期に発達した哺乳類に

その後の回復した気候に生活の場に樹上を選んだものがいた

鼠ほどの大きさの彼らは危険な地上をきらい

繁茂連続する大森林の枝から枝へと飛び跳ねる生活を愛した

彼らにとり樹上の生活は快適なものだった

地上を我が物顔で闊歩する大型恐竜の傲慢な太い足に踏まれることのない樹上

生きた野獣の肉を喰らう小型爬虫類から身を護ることのできる樹上

樹木が造りだす木の実や木の葉や樹皮に群がる昆虫が彼らの胃を満たした

65百万年前から3百万年前までの新世紀第三紀を通して

哺乳類のあらゆる目(モク)が当時の気温低下に対する適応のための大型化がなされた

そしてあらゆる場所に順応していった

そのなかの樹上で生活していた哺乳類の食虫類の一部だけが霊長類へと進化の道を辿った

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コスモスの神話 Ⅵ(人類の誕生とその足跡)

平成2155

[人類の誕生]

発生前期に四足で樹上を走り回っていた鼠ほどの大きさの哺乳類食虫類は

その後の大寒波に順応する必要から次第に大型化していった

大型化のある過程にたっすると樹上四足移動には身体に不安定をまねくようになった

樹上をより安全に移動するには四足でない<腕わたり>に変える必要があった

<腕わたり>での移動には必然的に身体を垂直に保つ必要がある

これが脊椎全体と頭部との構造に革命的な変革を及ぼした

次第に現在の猿類に近い骨格に進化してきたのである

1千万年前の新生代第三紀中新生の終わりごろことであった

地球上の気温の低下がさらに進行すると

食料の確保と寒さをしのぐために哺乳類食虫類は樹上から地上におりることが多くなった

地上と樹上とを生活圏とした後にやがて樹上を完全に棄て去った

2百万年前の第四紀氷河期の始まる直前には

地上を直立二足歩行する姿がみられた

直立二足歩行した<オーストラロビテクス>は

地上に現代のヒトに限りなく近い影を映した

古代の魚が陸に這い上がり

永い時間のあとに到達したのが現在の陸上動物である

どの時代のどの時期でも進化のきっかけになるのは

やむにやまれぬ窮地にたたされたときであった

押し寄せる障害に対抗するためにある生物は縮小し

ある生物は大型化をよぎなくされた

退化もまた進化の一部であった

[人類の足跡]

五百万年前に同じ祖先から類人猿とヒトとに別れ

それが人類として歩み始めた

現在のゴリラやチンパンジーは猿の側に位置する類人猿ではない

彼らはヒトの側に立つ人類の仲間なのである

ヒトとチンパンジーの遺伝子は99%以上に酷似している

それを遺伝的視野で見ると馬と縞馬程度の違いがあるだけだった

チンパンジーは宇宙を含めた自然界では人類に最も近い種であり

五百万年前に人類と別れて平行して生きた同じ起源を持つ亜人類なのである

6百万年前のアフリカで気温の低下がおきた

気温低下は熱帯雨林を赤道付近に押し込めて広範囲なサバンナ化を進めた

類人猿たちは後退しつづける森かサバンナかの選択を強いられた

そして人類の祖先となる類人猿はサバンナを選んだ

サバンナには身体を支える樹木は少なかった

サバンナでの食物捜しには広範囲な移動を強いられた

人類の祖先はその必要性ゆえに二足歩行を獲得した

二足での直立歩行では今までの両手が余ってしまう

両手は子供を抱き上げたり道具を造ったりするときに使われた

しかし当時の祖先の脳容積には変化はみられなかった

[アファール猿人]

4百万年以前にアファール猿人が登場した

身長は小さく脳の容積はチンパンジー程度だったが

完全な二足直立歩行を習得していた

350万年前には夫婦で両側から子供の手を引いて歩行していた

妻や子供に対する愛情が存在していたことになる

人類として認めるのには文化能力や精神活動のレベルを示さなければならない

猿人は石器などの道具を使用する文化を備えていた

彼らはれっきとした先人類であったが約3百万年前に絶滅した

[足から進化を始めてヒトとなる]

アファール猿人と平行して生きていたアフリカヌス猿人は

顔つきも脳の大きさも類人猿に似ていた

280万年前には足骨腰骨の進化により完全な二足直立歩行を完成させていた

ヒトは頭脳からではなく足から進化を始めたのだ

250万年前にブラック・スカル猿人が出現した

ビーバー氷期の真っ最中であった

[ホモ・ハビリス猿人]

230万年前にホモ・ハビリス猿人が出現した

アフリカのサバンナ地帯で生活していた彼らは

簡単な石器を造り使用することを習得していた

他の猿人が草木の実や葉や根を食べていた同時代に

大型の動物の死体から石器で剥ぎ取った肉を石で叩いて柔らかくして食べた

植物も動物も食べる雑食性を持つ彼らは

ハビリスは人類の直系祖先である<ホモ>という属を持つ

[柔らかい食物が人類の進化を早めた]

ホモ・ハビリスはやがてホモ・エレクトゥス原人に進化した

ビーバー氷期の過酷な寒冷気候を生き抜いた彼らの脳は飛躍的に増大した

より高度の石器を使用して柔らかい肉を食べる食生活により

脳の増大に反比例し彼らの歯は退化の一途をたどる

今までの硬い食物を噛み砕く歯と顎の筋肉の退化は

脳の容積の増大につながりヒトしての進化に加速力をつけた

2百万年前にホモ・ハビリス猿人が出現した同時期には

ロプスストゥス猿人やポイセイ猿人やブラック・スカルなどの大型猿人が出現し

1百万年前のドナウ氷期の終りまで見られたが次々と絶滅していった

[原人の出現]

170万年前にホモ・エレクトゥス原人が出現する

彼らは高度な石器を使用して共同で狩をしていた

脳の容積も増大して現在の幼児程度の言語使用がみられた

彼らは自然の野火から火を手に入れ

火によって外敵から身を護り火によって肉を焼き身体に暖を取る生活にめざめた

この時期はドナウ氷期の始まったころで

自らの才覚で自由に火を造りだすのはずっと後の時期であった

アフリカには約1千万年前から多種の類人猿がいた

そして多くの類人猿が絶滅していった

5百万年間にわたりアフリカは人類進化の源であった

多くの類人猿が消えたあとも直立二足歩行の祖先が生残った

ホモ・エレクトゥス原人がアフリカの外へ出た最初の人類であった

火を携えた原人が北上しヨーロッパやアジアに進出した

やがて彼らはジャワ原人やペキン原人の祖となった

[旧人の出現]

20万年前のリス氷期のころだった

東アフリカの大地溝帯にネアンデルタール人が出現した

彼らもこの地からほぼ同じ道をたどり他の地に拡散していった

アフリカはいつの場合にも人類の新種を造りだす舞台だった

進化の段階での新種の個体数が大きくなると

前段階の祖先が辿った同じ道を経て他の土地に進出していったのだ

[新人の出現]

15万年前ごろの東アフリカに現人類の祖先<ホモ・サピエンス>が出現した

東アフリカの強い紫外線が降りそそぐ赤道直下での人類の祖先は

紫外線から身を護るために肌の色を黒くする必要があった

新人と呼ばれる彼らもまた前段階の祖先と同じ道をたどり広がっていった

北方に浸透移住する人類の黒い肌は次第にうすくなっていく

紫外線の少ない地域での生活にはメラニン色素の量を減らさなければ紫外線の吸収率が下がりすぎるからだ

紫外線の吸収率が少なくなると日光不足によるクル病等の原因になる

現在の人類の間にある黒・黄・赤・白等の肌の色により差別的風潮があるが本来の人類の純血種の肌色は黒である

黄・赤・白の肌色は劣勢遺伝の結果にほかならない

体型や顔立ちの違いは周囲の気温が強く影響する

体重が同じでも暑いところでは身体面積を大きくし体温の発散をはかる

そのため手足を長くし長身で細い体型となる

寒い地域では体温を逃がさないために手足が短くずんぐりした体型となり

厳寒による凍傷を防ぐためには凹凸の少ないモンゴロイドの顔が最適であった

7万年前ごろの最後の氷河期<ヴュルム氷期>が始まるころ新人<ホモ・サピエンス>は中東にまで達した

そこからヨーロッパやインドにむかった人々はコーカロイドへ

5万年前ごろにさらに東へ進んだ人々がモンゴロイドにとなった

東アジアのモンゴロイドは新天地を求めてシベリアまで北上し氷河期に陸続きになったベーリング海を渡り北アメリカに渡った

12千年前に北アメリカに渡った人類は急速に分布拡大し

わずか1千年の間に南アメリカ最南端に到達している

3万年前にネアンデルタール人類が絶滅した時期には

日本の南北共に大陸に地続きであった

現在の日本人の祖先は陸伝いに移入を始めた

海面上昇により大陸から列島として切り離された後には

船を用いて新たな人々が上陸してきた

人類が地球全体に進出した移住は一度だけでは終わらず

波紋が広がるごとく何度も何度も繰り返して送り込まれた

すでに先住民が住む地への新たな人々の進出は

先住民を吸収同化させる絶え間ない戦闘と殺戮がつきものであった

この人類移住の永い道程のなかでも人類の進化はつづけられ

それぞれの環境に適応できる身体と技術を獲得していった

そして異なる土地の環境に最も順応できる種族が生残り

それらはさらに新しい土地に進出していった

1万年前に最後の氷河期のヴュルム氷期が終わった

6千年前にメソポタミア文明が興った

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